ヤマハDT200Rの特徴
ヤマハのDT200Rは1984年に誕生したバイクのモデルで、前身モデルともいえるDT250の後継機的な位置づけで発売されました。
このバイクが登場した当時はバイク好きの間でかなりの衝撃を持って受け止められたと言われています。
とりわけコンパクトなエンジンが、多くの人達の間で評価される一方、「こんなに小さくて大丈夫なのか?」といった声さえあったと言われています。
当然その分バイクの従量も軽量で、フットワークが軽い面も大きな特徴となっていました。
前身となるDTRとの違いは、「ウィークエンド・モトクロッサー」という触れ込みで発売されたように、使いやすさと力強さの両方を兼ね備えていた点です。
先述したエンジンの軽さも含め、軽量バイクの使いやすさとモトクロスの力強さを兼ね備えることで、さまざまな場面で快適な運転を楽しめるようになりました。
乾燥従量はわずか99キログラム、足回りにはリンク式のモノクロサスペンションやアルミスイングアームを採用、エンデューロレースでも圧倒的な成績を残すなど、たちまちヤマハを代表するバイクとなりました。
当時はこのバイクでヤマハの製品を出会った、という方も多いようです。
翌年1985年には早くもマイナーチェンジが行われており、スプリングの強化やクラッチ容量の増加、スムーズなシフトアップの実現といったポテンシャルアップが見られています。
さらに1987年にもマイナーチェンジを行い、カラーバリエーションの変化やナックルガードの装備、キー付きのタンクキャップの採用といった比較的細かな変更が施されています。
人気の秘密は?
発売当初「頼りない」「まるでおもちゃみたい」と言われていた評判も、実際に乗り始める人が増えていくにつれて「この軽量でこのパワーをすごい」といったプラス評価へと転じていきました。
この軽量・コンパクトがどれだけすごいかと言うと、じつは現在のオフロードバイクよりもコンパクトで、すでに発売から30年以上が経過しているにも関わらずその魅力が失われていないことになります。
全体がコンパクトな分シート高も約885mmと低め、足回りも軽くて性別・世代を問わずに乗りこなしやすい点も人気の秘密です。
ただし、80年代と比較して男女ともに長身の人が増えている現在では、このシート高では低すぎて窮屈に感じてしまうこともあるようです。
こうした軽量とともに、人気の秘密となっているのが出力です。
出力は31馬力、現在と比較してバイクにおける規制が厳しくなかったこともあり、サイズに比べると優れたパワーを持っています。
発売当初ヤマハが掲げていた「ウィークエンド・モトクロッサー」という謳い文句は、むしろ現在の方が実感できるのかも知れません。
すでにメーカーからのパーツ供給が終了しているので修理・交換が難しい面こそあるものの、現在でもなお高い評価を得ているヤマハを代表する車種と言えるでしょう。