創設された経緯
MotoGPは「バイクのF1」とも呼ばれ、バイクのレースにおける世界最高峰の舞台として広く認知されています。
後述するように、これまでの歴史の中で日本メーカーが活躍しており、日本人にとっても非常に馴染み深い存在となっています。
創設された経緯は、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)の創設にまでさかのぼります。
設立は1904年、当時は「FICM」という名称でした。
この前身組織は第2次世界大戦宙に活動停止を余儀なくされたのですが、戦後の1946年には早々と活動を再会、そして1949年に現在のFIMに変更されました。
そしてこの名称の変更をきっかけに正式な選手権の開催が行われるようになり、MotoGPの前身である第一回ロードレース世界選手権(WGP)が開催されました。
これがMotoGP創設の歴史であり、この第一回のレースが歴史の第一歩とされています。
なお、この記念すべき第一回のレースは世界ではじめてバイクのオンロードレースが開催された地としても有名なイギリスのマン島で開催されています。
このFIMには現在世界80カ国が加盟しており、日本では日本モーターサイクルスポーツ協会が参加しています。
まさに、世界のバイクレース界にもっとも大きな影響を及ぼしている組織と言えるでしょう。
イタリアメーカーの時代
そんな世界選手権ではでは創設当初からイタリアメーカーが圧倒的な強さを見せており、500ccクラスの分野では創設から70年代の半ばまでの四半世紀、26年間の間に24回も優勝しています。
まさに、「ロードレース世界選手権で優勝したければイタリアメーカーのバイクに乗れ」といった状況だったわけです。
ただし500cc以外のクラスでは日本メーカーをはじめ各国のメーカーが熾烈な争いを繰り広げており、その後の日本メーカーの躍進の伏線にもなっていました。
日本メーカーの活躍
そんなイタリアメーカーの圧倒的な優位のなか、60年代後半ころから日本メーカーの躍進が見られるようになります。
そしてついに500ccクラスにおいて1975年にヤマハがタイトルを獲得、これが後の日本メーカーの躍進のきっかけとなりました。
その後ヤマハの好敵手であるスズキ、さらに一時期撤退していたホンダが70年代後半に加わり、2000年代に入るまでなんと31シーズンもの間日本メーカーがタイトルを獲得する圧倒的な強さを見せることになりました。
このレースによる日本メーカーの活躍は、日本のバイクメーカーのブランドイメージを世界中に知らしめる役割を果たすことになりました。
MotoGP発足
2000年代に入ると、ロードレース世界選手権の名称が現在のMotoGPに改められ、排気量も最高クラスで990ccにまで拡大されるなど方針の変化が見られました。
メーカーの話ばかりを挙げてきましたが、その歴史の中には何度もタイトルを獲得した名ライダーの存在も見逃せません。
中には複数のメーカーのバイクで複数回タイトルを獲得したライダーもおり、メーカーとライダー双方の進化によってこのレースの歴史が成り立ってきたことをうかがわせてくれます。
これからの各メーカーが最新の技術を投入し、最高峰のライダーによる最高峰のレースが行われていくことでしょう。