スーパーバイク世界選手権の歴史
世界最高峰のバイクレースとしてMotoGPと並び称される存在が、スーパーバイク世界選手権です。
どちらも世界最高峰のライダーを決めるレースですが、「何が違うのか」「どちらが格上のレースなのか」といった疑問を持たれることも少なくありません。
前身レースを含めるとすでに70年以上の歴史を持つMotoGPに比べると、このレースの歴史はまだ浅く、第一回が開催されたのは1988年でした。
ちょうど日本でもバイク・カーレースへの関心が高まっていた頃で、話題になりました。
ただ、MotoGPと比較するとヨーロッパを主戦場にしているレースとの印象が強く、知名度の点ではやや劣る傾向も見られます。
日本ではかつて開催されていましたが、2004年以降は開催されなくなっています。
世界各国を転戦しながら開催される方式で、通常は年間13レースとなっています。
ユニークな点としては、ひとつの大会で複数の決勝レースが開催される点が挙げられます。
MotoGPの違い
どちらもバイクレースの世界最高峰を決める大会、しかもどちらもFIM(国際モーターサイクリズム連盟)公認です。
となると、「何が違うのか」との疑問が出てくるのものですが、最大の違いは「レースに使用されるバイク」です。
MotoGPの場合、レースのために開発された専用のバイクが使用されるのに対して、スーパーバイク世界選手権の場合は市販されているバイクをベースにしたものが使用されます。
つまり私たちが購入できる、または日常的に乗っているバイクがもとになったバイクをプロのライダーが乗っているわけです。
それから、スーパーバイク世界選手権では先述したようにひとつの大会で2つの決勝レースが開催されます。
土曜日にまずレース1の予選と決勝を行い、日曜日にレース1の結晶結果に基づいて予選の準備が決められるのです。
ですから、予選で速いタイムを出せたかどうかだけでなく、決勝の順位によっても最終日のレースのスタートポジションが変わってくるわけです。
しかもレース1の決勝順位に基づくスタート順位の決定は少々複雑になっており、なんと1~3位のライダーは先頭ではなく4~9位よりも後ろ、3列目からのスタートに設定されます。
つまり、レース1の予選と決勝で活躍したライダーはかえって不利になってしまう少々複雑な形式となっています。
予選・決勝両方でよい結果を出したライダーをあえて不利にすることで、レースを面白くすることが目的と言われています。
それに対し、MotoGPでは予選を行った上で決勝レースが1回だけ行われます。
MotoGPと同様、こちらでも日本メーカーが活躍しており、とくに近年ではカワサキの活躍が見られます。
MotoGPではヤマハやスズキ、ホンダが活躍しているのに対してこちらはカワサキ、いずれにしろ日本のバイクメーカーのブランドイメージを世界に知らしめる貴重な機会になっています。